FXに影響を与える政治の力

FXの取引をする際には様々な分析が必要となりますが、その中でも政治的な要因は最も分析しづらいものだと言えるでしょう。しかし、政治は大きな影響を与えますから、情報を常にチェックしておくことは必要です。現在の状況を大まかに言うと、国際政治の場では円安誘導が問題視されつつあります。日銀は異次元緩和を行い、その後にマイナス金利を導入しました。

異次元緩和の目的はデフレからの脱却で、マイナス金利の導入は銀行の貸し出しを増やすことだというのが建前上の理由だと言えるでしょう。しかし、市場参加者ならこれは明らかに円安誘導であることは火を見るよりも明らかだと思っているはずです。円安に誘導することによって自国の利益を優先しているという批判が国際的な世論として生まれつつあります。一時的なものであれば良いのですが、ここまで長期になると批判の目を交わすことは難しくなってくるでしょう。

政治的な批判があることによって、日銀は次の手を打ちづらくなっていると考えられます。次の手としてはマイナス金利のマイナス幅を拡大させることや、資産買い入れを大規模に行うことなどが想定されますが、政治的な圧力を押しのけてそれが行えるのかどうかは難しい判断だと言えるでしょう。どちらにしても、FXの取引をする際には政治的な力を排除して考えるべきではありません。アメリカやヨーロッパの政治的な力を侮ると、FXの読みを謝る可能性がありますから注意が必要です。